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中小企業の「SaaS疲れ」を解消する|Next.jsフルスクラッチという選択肢

Conclusion

SaaS疲れは事業成長に伴う自然な現象。自社特有の業務フローにはフルスクラッチ、専門性が必要な領域にはSaaSという使い分けが合理的です。

月額SaaSの合計が膨らんでいませんか。課金累積・機能過剰・データ分断の「SaaS疲れ」を整理し、Next.jsフルスクラッチで解消できる領域と判断基準を解説します。

4分で読めます
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毎月届くSaaSの請求書を、まとめて見たことはあるでしょうか。顧客管理に月額1万円、プロジェクト管理に月額5,000円、フォームツールに月額3,000円、チャットツールに月額8,000円——。個々の金額は小さくても、合計すると月に5万円、6万円と積み上がっていることは珍しくありません。さらに「使っていない機能のほうが多い」「ツール間でデータが行き来しない」といった不満が重なると、便利なはずのSaaSがじわじわと経営の重荷になっていきます。この状態を、ここでは「SaaS疲れ」と呼んでみます。本記事では、その正体を整理したうえで、Next.jsによるフルスクラッチ開発という選択肢がどんな場面で有効かを考えます。

「SaaS疲れ」の正体は何か?

SaaS疲れの原因は、大きく3つに分けられます。

1つ目は、課金の累積です。

SaaSは1つ1つの月額が手頃なため、導入のハードルが低いという長所があります。ただ、それゆえに気づくとツールの数が増えています。仮に月額3万円のSaaSを3年間使い続けると、支払い総額は108万円になります。これが3つ、4つと重なれば、年間で100万円を超える固定費になることも十分ありえます。

2つ目は、機能の過剰さです。

たとえば顧客管理ツールを導入したとして、自社で使う機能はその2割程度——ということは少なくありません。残りの8割は、別の業種や規模の企業を想定した機能であり、自社にとっては画面をわかりやすくするうえでの障害になっています。

3つ目は、データの分断です。

顧客データはCRMに、売上データは会計ソフトに、問い合わせ履歴はフォームツールに——。それぞれのSaaSに情報が散らばっていると、横断的な分析が難しくなります。CSV出力して手動で突合する、という作業が日常になっている企業も多いのではないでしょうか。

すべてのSaaSを置き換えるべきか?

結論から言えば、Noです。

SaaSにはSaaSの強みがあります。たとえば会計ソフトは、税制改正への対応をSaaS側が自動で行ってくれます。これを自前で追従し続けるのは現実的ではありません。

置き換えを検討すべきなのは、以下のような条件に当てはまる業務領域です。

  • 自社特有のワークフローがある: SaaSの標準機能では業務の流れに合わない
  • 複数のSaaSにまたがってデータを使っている: ツール間の連携がなく、手作業でデータを移している
  • 使っていない機能が大半を占めている: 月額費用のうち、実際に価値を感じている部分がわずか
  • ユーザー数の増加でコストが膨らんでいる: 事業成長に伴ってSaaS費用が比例的に増えている

判断の軸を一言にまとめるなら、「その業務はSaaSの型にはまっているか、それとも自社の型にSaaSを無理やりはめているか」です。

業務領域ごとにSaaSを置き換えるべきか判断する決定木。自社特有ワークフローの有無を起点に、データ連携の手作業・機能過剰・ユーザー数増加によるコスト膨張・専門性の必要度という4条件を分岐させ、フルスクラッチ候補かSaaS継続かを導く図解。

Next.jsフルスクラッチで何が解消されるか?

自由度の高さ

フルスクラッチの最大の利点は、画面構成もデータ構造も業務の流れも、自社の実態に合わせて設計できることです。SaaSでは実現しにくい要望に、素直に応えられます。

データの統合

複数のSaaSに散らばっていたデータを、1つのデータベースに集約できます。Firebaseを使えば、認証・データベース・ストレージが統合された環境で開発できます。

コスト構造の変化

SaaSは「月額固定費×利用年数」で費用が積み上がり続けます。一方、フルスクラッチ開発は「初期開発費+月額のインフラ費用+保守費用」という構造になります。中小企業の利用量であれば月額数千円〜1万円程度に収まることが多い傾向にあります。

フルスクラッチの現実的なコストとリスク

メリットだけを並べるのはフェアではないので、コストとリスクについても正直に書きます。

初期開発費の目安

規模機能の例費用レンジ(税別)開発期間
小規模問い合わせ管理、簡易CRM100万〜250万円1〜2ヶ月
中規模案件管理+顧客管理+レポート250万〜500万円2〜4ヶ月
大規模基幹業務全体のカバー500万円〜4ヶ月〜

考慮すべきリスク

  • 開発会社への依存: ただし、Next.jsとFirebaseは広く使われている技術のため、引き継ぎが困難になりにくい
  • 自前での機能開発: SaaSが自動で対応してくれていた部分を、保守の範囲に含める必要がある
  • 撤退コスト: だからこそ「小さく始める」ことが重要

まず何から始めるか?

ステップ1: SaaSの棚卸しをする

現在契約しているSaaSをすべてリストアップし、月額費用・利用頻度・満足度を書き出します。

ステップ2: 1つの業務領域を選ぶ

「SaaSの型に合っていない」と感じる業務を1つ選びます。

ステップ3: SaaSと並行運用する

選んだ業務領域だけをNext.jsで開発し、既存のSaaSと並行して運用します。並行運用期間の目安は1〜3ヶ月です。

ステップ4: 成果を確認して次へ進む

1つ目の業務で効果を確認できたら、次の業務領域に着手します。

まとめ

SaaS疲れは、ツール選びの失敗ではなく、事業の成長に伴って自然に起こる現象です。すべてのSaaSを否定する必要はありません。自社特有の業務フローにはフルスクラッチ開発を選び、専門性が求められる領域にはSaaSを残す。この使い分けが、コストと業務効率の両面で合理的な判断です。まずはSaaSの棚卸しから始めてみてください。

なお、フルスクラッチ移行後にインフラ構成をどう選ぶか迷う場合は、AWS ECS×Next.jsで作るコンテナ時代の モダンWebアプリケーションもあわせて読んでみてください。事業の成長に合わせてスケールしやすい構成を検討する際の参考になります。

本記事は Next.js 16.x 時点の情報です

最終更新:2026年4月13日

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